私が漢方治療を勉強する理由

カンボジアインターナショナル大学医学部医学科5年

荒木 佑宜

私が漢方薬を初めて服用したのは小学5年生のころです。

当時、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)が症状がひどくサラサラとした鼻水に目の充血が止まらず、呼吸困難とストレスで勉強やスポーツにも専念できない毎日でしたが、その時はタリオン(第二世代の抗ヒスタミン薬)と実証タイプである私にと担当医のお医者様から葛根湯を手渡され、毎日ごくごくと飲んでおりました。

ところが薬を飲み続けてまもなく数日後に眠気と口渇が交互に来るなど、服用を続けるにつれ副作用もだんだんと著しくなってくることが判明したため、すぐに服用を中止しました。

その後は、鼻や全身を温める運動やお風呂に入るなどという民間療法(これである程度はスッキリ!)で何となく対処しておりましたが、別の医療機関の関係者の方から小青竜湯の服用を勧められたのはそんなときです。恐る恐る半年間だけ服用してみたところ、鼻づまりや目の充血がそれ以降起きることはなく、例年に比べて花粉シーズンを乗り越えることがかなり楽になったという記憶があります。

今思えば、その時お風呂に入って体を温めていたのも東洋医学でいうところの悪寒畏寒(=温暖な環境を好むこと)を示していたのかもしれません。また、漢方世界では津液が停滞すれば、「肺の異常」つまり、肺の液(鼻水)や鼻づまりを引き起こしやすくなると考えられています。

このような実体験があってから次第に漢方治療に興味を持つようになり、さらに医学部に入って西洋医学を学び始めてからは「現代医療のための補完医療(Alternative Medicine)」としての側面として漢方の勉強を真剣に始めるようになりました。

【図】五臓の概念(西洋医学とは異なる臓のとらえ方、肝・心・脾・肺・腎の働き)

【出典】


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